宇宙で一番の神業


2011年11月30日

今日は30日。

一緒にお手紙も渡します。今月はこんな話です。月末ですのでT子さんに生活費、R子さんにお給料を渡す日です。

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宇宙で一番の神業

2011・11・30

小さな子どもを見ていて思うのは、

どんなに小さくても、人間には母性があるということです。

お人形さんにミルクをあげたりする遊びや、

小さな動物を飼って餌をあげたりする行為や、

お父さんこれあげる~。と僕にお菓子をくれたり。

私たち人間はすでに母性=神性をもって生まれています。

しかしそれと同時に、我良し=自我も持っています。

 

私たちの人生は「母性を育て自我を薄くする体験」の旅です。

生活のために現実世界で労働するということは、

母性を育て、自我を薄くする、宇宙で最も効果的な洗濯板です。ゴシゴシ。

 

甘やかされて育つと、我良しだけ育つようです。

自我にとっては心地よい環境かもしれませんが、

本人の魂の旅の目的という視点では大きな遠回りです。

 

生まれたときからお坊っちゃまと周囲にかしづかれてしまうと、

悲しいかな、自我が際限なく膨らんでいくのでしょう。

同族経営が3代目で会社を潰すといわれるのは、

3代目の人生で自我を薄くするきっかけが与えられないで育ったからです。

しかし自我が増長するのは、大資産家の家庭だけではありません。

 

先日NHKのクローズアップ現代で、現代型うつ病について放送していました。

会社で上司やお客様さんに怒られると、

仕事がやる気にならなくなり会社に来れなくなってしまうのです。

一般的なうつ病だと何もする気にならず家に篭りがちですが、

現代型うつ病は仕事以外は普通に活動できるのです。

友人たちと飲みに行ったり旅行に行ったりします。

会社にだけ行けないのです。

一般的なうつ病だと自分を責めてしまいます。

しかし、現代型うつ病は他人を責めます。

上司が悪い。

お客が悪い。

同僚が悪い、と。

甘えん坊症候群という名前の方が合っていると思います。

 

現代型うつ病の原因は、その人の幼少期の対人関係とされます。

依存心が大きいまま社会に出るとなりやすいといいます。

人間関係のトラブルを自力で解決できた体験が少ないとなりやすいといいます。

 

番組では同じ患者さんたちが集まって、

グループでお互い話し合うことが効果があると述べていました。

人間関係の経験が少ないのが原因だっただからです。

 

これら二つの話を聞いて思うのは、自我を薄くする体験というのは、

本人にはショックなことであろうということです。

友人に誤解されたり、

友人と仲違いしたり、

上司やお客さんに怒られたり。

しかしそれらの体験を克服して、

何とか生きようとすることで自我を薄くすることができるのです。

そういった体験を通して、

ああ、相手にも相手の立場があるのだなあ。と「実感」して

理解を深めることができるようになります。

その苦いショックな経験を積み重ねていくしか、

他人の立場をおもんばかるという性質は育ちません。

 

自分の人生が苦しい苦しいという人の話を聞くと、

やはり他人の立場をおもんばかる気持ちが希薄です

他者に対する依存と不満ばかりです。

現実社会の労働とは、洗濯板です。

自我を薄くせざるを得ないようなショックの連続です。

 

自分の生活を守る為に労働を継続する人は立派です。

家族の生活を守る為に労働を継続できる人は更に立派です。

そしてその自分の労働の中で、困っている人に思いやりを持てる人は、更に立派です。

そしてその厳しい生活の中でも、感謝すべきことを見出せる人は、更に立派です。

 

これが宇宙で一番の神業であります。

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