過去をめぐる旅
2024年11月11日
今日は日記に書くのが
いやになるくらいの
長編スペクタクルな1日だった。
ホントに長いので
時間ある人だけどうぞ
発端は9月、三男の埼玉で開催された
全国大会の宿が東京錦糸町になり
朝食の時間まで帰る!
と朝早起きして始発に乗り
靖国神社を初めて参拝。
僕の祖父は戦没者である
参拝を済ませて普段なら
すぐに帰るとこれだけれど、
その時なぜか宮司さんに
話かけてみようと思った。
山形から来たこと
祖父が靖国に祀っていただいてること
東京に10年住んでいたが
一度も来たことがないこと
手短に話をすると、
『御霊はご遺族が来てくれたのを
喜んでくれてますよ』
この言葉が心の琴線に触れた
もう自分でも訳が分からないくらいに
いろんな感情と涙が溢れた。
その感情とは
顔も見たことのないじいちゃんが
孫が来てくれたことを喜んでくれてる!
という実感を得られたこと
2つ目は
10年も東京に暮らしながら
一度も手を合わせたことのなかった
若かった自分への不甲斐なさと情けなさ
そして3つ目は
自分の父が、戦犯と合祀されてるという理由で
(俗に言う靖国問題)参拝をしたことがない。
ということ。
それは個人の考えであり尊重すべきと思うが
その理由で実の息子から手を合わせてもらえない祖父の悲しさ寂しさを思うと
涙が止まらず
泣きながら歩いた。
50のおっさんが
涙を流しながら思ったのは
父親がどう反応しようが、
この度感じたことを全部ぶつけてみよう
そしてあわよくば
靖国でじいちゃんと会わせてあげたい。
そう思い九段下を後にした。
そして10月、三男の誕生日と銘打って
父と酒を飲んで思いをぶつけた。
やはり最初は
『行かない』の一点張りだったが、
今回は引けない理由があった。
父を幼い頃に戦争で亡くし
面影も残らない父(じいちゃん)に対して
85歳になってもまだその思いを
消化できずにいる僕の父
誰と合祀されていようが
伊藤久吉命(いとうきゅうきちのみこと)
となり一柱として祀られてる肉親に
顔を見せ、手を合わせてもいいだろう
ヨメからは『せっかくの誕生日なのにケンカしないで』と心配されるほど
そう懇々と話し合った
どちらも譲らなかったけど
結果、
『分かった行く』
と言わしめた。
正直85歳の父親が
今までの考えや信条を改めるとは
思っていなかったんだけど、
熱意は伝わるもんだなと思った。
せっかくなので
じいちゃんの子3人も
一緒に行けたらと思い
仙台の叔母ちゃんと従兄弟
東京の叔父さんは亡くなってしまったので
その長女の従姉妹
あったことのない祖父だから
しょうがないとは言いながらも
今の自分を存在させるのに
絶対欠かせない存在でありながら
あまりにもじいちゃんのことを
知らなすぎた。
父親からは
お前がそんなに言うから
本当はあまり気が乗らなかったけど
来てみて考えが変わった
連れてきてくれてありがとう
ほんのちょっとは親孝行できたかな!
と少し自分が誇らしく思えた。
初めての参拝の時、
じいちゃんが来てくれて
ありがとうと喜んでくれてるのを感じた。
マサカズを連れてきてくれとも
言われたような気がした
だけど父親のみならず
おばさんにいとこにと
じいちゃんの肉親を集めて連れてきた僕を
きっとじいちゃんは
よくやった!
でかした!
とほめてくれてる
その確信が僕の中にはある。
そしてもう一つの目的の
僕の師匠、叔父さんの墓参り
コロナ禍で死に目にも葬儀にも
参加できずにずっと
心の隅に引っかかってた
もう長くないと言われても
亡くなったと言われても
受け入れたくないのか
実感が沸かずに涙も出なかった。
その現実から目を逸らしたかった。
でも今日遺影を見て遺骨箱を見て
やっと受け入れた自覚した
遺影で楽しそうに笑う
叔父さんを捨て師匠になり
僕を育ててくれたもう1人の父は
もういない
涙と嗚咽がどうしようにも
止まらなかった。
でも自分はきっとずっと
泣きたかったんだ。
泣けずにいて苦しかったんだ。
そう気づいてひとしきり泣いた後
驚くほどスッキリふんぎりが
ついたように思う。
よく来たな、がんばってるな
そう言われた気がした。
30年以上経った今でも
自分の原点はここなんだと
胸にジーンと響いた。
ずっと会ってなかったけど、
じいちゃんが息子娘を集めて
久しぶりに話しな!って
言ってくれた気がした。
時間の余裕持って帰路についたつもりが、
85歳の歩みは想像以上にゆるやかで
危うく飛行機に乗り遅れそうになり
父親の手を引き
必死で走ってなんとか飛び乗った。
14000歩歩かせた上に
最後にダッシュさせるとは
今日の親孝行も台無しだと笑ったが、
父親の手を引き手を繋いで歩いたのは
いつのことだろうか思い出せない。
体は疲れたが心は充実!
明日からまたがんばれそうです!
長文お付き合いいただき
ありがとうございます