言葉が人生を創る


2012年04月01日

今日は月末ですのでR子さんにお給料と

T子さんに生活費、そしてお手紙を渡します。

今月はこんな話です。

言葉が人生を創る

2012・3・31

関西のとあるハンバーガーショップでのお話。

その日は結構混んでいて、三つのレジに列ができていました。

バイトの女の子が

「店内でお召し上がりですか?お持ち帰りですか?」

とお客様に聞いています。

どこのハンバーガーショップでも見られる光景です。

 

何を食べようかなと考えながらその列の3番目に並んでいると、

何やら前の方が騒がしい事に気がつきました。

 

一番前の男性の声が怒鳴り声になったからでした。

 

どうも注文した商品の一つを入れ忘れたようでした。

 

男性は

「なにしとんねん!トロいんじゃ!お前!もうエエわ!」

と怒りをあらわにし、

商品が入った紙袋を奪い取るようにして店を出て行きました。

 

その後ろ姿に向かって、バイトの女の子は

「申し訳ありませんでした。済みませんでした。」

と何度も頭を下げていました。

一瞬にして店内の空気が刺々しくなりました。

 

2番目に並んでいたのは70歳くらいのおじいちゃんでした。

バイトの女の子は、今にも泣きそうな顔でしたが、

無理やり作った笑顔で

「店内でお召し上がりですか?お持ち帰りですか?」と、

何事もなかったように接客をしました。

 

おじいちゃんは静かな声で言いました。

 

 

お嬢ちゃん、エラいなぁ。

 世の中にはさっきの人みたいに

 自分の思い通りにならんかったら

 怒鳴り散らす人がいる。

 

 あの人もなんか急いどったんやろう。

 あんなことを言われて

 あんたの心はズタズタのはずや。

 にもかかわらず次に並んどるわしに

 笑顔で接客してくれた。

 わしにはあんたくらいの孫がおる。

 あんたの笑顔を見て、

 その孫を思い出した。

 これから孫に連絡を取ろうと思う。

 いや、ありがとう。あ、コーヒーを一杯。」

 

 

その言葉を聞いた途端、

堰を切ったようにバイトの女の子の目から涙があふれ出し、

ワンワン声をあげて泣き出しました。

しばらく涙が止まりませんでした。

そこへ隣のレジに並んでいた中年の女性が声を掛けました。

 

「あんた、本当にいい仕事してるわよ。」

 

刺々しかった雰囲気が一瞬で和らぎました。

 

言葉なんだなぁとおもいました。

 

何の関係のない間柄でも、

たった一言で、

一生忘れられない人になる。

 

言葉には、言語としてだけではない、

何かすごい力があるんだと思う。

 

そんな言葉を発する人になりたいものです。

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