【一歩引いて眺める】


2012年10月01日

今月もR子さんにお給料とT子さんに生活費。

そしてお手紙を渡します。

今月はこんな話です。

【一歩引いて眺める】  

 2012・9・30

北野武氏の心に響く言葉より…

 

眠っている才能なんてものはない。

才能はあるかないかのどっちかだ。

 

自分が本当にやりたい仕事はなんだろうなんて

考えなきゃいけないってことは、

やりたい仕事がないというだけのこと。

 

探しているのは、自分が本当にやりたい仕事なんかじゃなくて、

楽して稼げる仕事なのだ。

そんなものがあるわけない。

 

世の中が貧乏で、飯を食うのにも苦労した時代なら、

子供が「自分の才能を生かせる仕事就きたい」なんて言い出したら、

親に頭を叩かれるのがオチだった。

「そんな夢物語にかぶれてないで勉強でもしろ」とか

「バカなことを言う前に仕事を探せ」とか。

 

昔の親は、苦労が子供のためになることを知っていた。

今の親は、子供に苦労だけはさせたくないと思っている。

けれど、昔も今も変わらないことがある。

 

苦労をしなければ、仕事にやりがいなんて見つけられるわけがないのだ。

仕事の本当の面白さとか、やりがいというものは、

何年も辛抱して続けて、

ようやく見つかるかどうかというものだろう。

最初から簡単にできたら、面白くもなんともない。

 

昔の職人は、親方に弟子入りして、

殴られたり蹴られたりしながら仕事を覚えた。

理不尽な扱いをされたこともあっただろうし、

給料だってロクに貰ってはいなかったろう。

それでも、他に行き場がなかったから、

必死でそこにしがみついていたわけだ。

 

その苦しさとか悔しさがあったから、

仕事が上手くいったときの喜びもあったわけだ。

それを仕事のやりがいと言ったのだ。

 

その仕事のやりがいを、金で買おうとしてはいけない。

 

自分に合った仕事を探すという考え方がそもそもの間違いだ。

そんなものはない。

 

仕事を自分に合わせるのではなく、自分を仕事に合わせるのだ。

 

だいたい職業なんてものは、あまり自分の気の進まないものを

選んだ方が上手くいくものだ。

 

幸せになりたいなら、いちばんやりたいことは趣味にしておいた方がいい。

気が進まないくらいの方が、いろんなことがよく見える。

 

どんな仕事にだって、誰も気づかない盲点というものがあるのだが、

そういうものに気づくのは、好きでたまらない人間よりも、

むしろちょっと引いたところから眺めている部外者だ。

 

もし今の自分の仕事にやりがいを感じないとしたら、

それは不幸なことではなくて、むしろチャンスなのだ。

 

自分はこの仕事を冷静に見る目を持っていると思えばいい。

 

冷静に考えれば、どんな仕事であろうとも、今よりは面白くできる。

 

『北野武 超思考』幻冬舎

 

世の中は、時には斜めに見ることも必要だ。

真正面からばかり見てると、ことの本質が見えなくなることがあるからだ。

 

たとえば、「子供に苦労をさせたくない」という感情。

その気持は分かるが、

若い頃に本当に一つの苦労もさせずに蝶よ花よと育てたら、

年をとってから、苦労ばかりが続く人生となるのは間違いない。

だから、

「子供にはたくさんの苦労をさせる」

というのが本質だ。

 

今の時代は、豊かさの中にあって、親も、子供も我慢ができない。

より楽に、より稼げることを望む。

 

だから、芯のない、甘い人間が増えてしまう。

 

「仕事は辛いことがあって当たりまえ」

「楽して儲ける仕事はない」

「仕事のやりがいは自分で探すもの」

「自分を仕事に合わせる」

 

時には、自分を一歩引いたところから、

冷静に眺めてみることも必要だ。

二者択一


2012年09月01日

【二者択一】

2012・8・31

斎藤孝氏の心に響く言葉より…

 

漫画の『逆境ナイン』の中に「二者択一」というシーンがある。

主人公に初めて彼女ができる。

 

甲子園目指して、チームを率いて

ここ一番踏んばらなければいけないときなのだが、

デートもしたい。心が迷っている。

 

仲間から

「プレゼントだ、好きなほうをとって、もう片方は捨ててくれ」

と包みを渡される。

 

開けてみると、中には二枚の表札のような板が入っていた。

 

一枚には「野球」、

もう一枚には「かけがいのない女」

と書いてある。

 

煩悶(はんもん)した末、

主人公は、

 

「二者択一!!」

 

と叫んで「野球」の板を取る。

 

泣きながら「かけがえのない女」の札を捨てる。

 

 

板という「もの」を自分の意思で選び取るという身体的動作によって、

決断にリアルな切実さが伴う。

 

私たちは通常、意思決定をするときに、

心のなかだけで考えている。

 

その実体が手にとって見えているわけではないので、

「選び取った」ものと「捨てた」ものの

本当の重さに気づきにくい。

 

たとえ小さな板切れであっても、

自分が決心して選んで手に取った札だと思うことで、

挫けない力が湧く。

 

ちょっとやそっとでへこたれるわけにはいかない。

 

このときのリアルな「二者択一」を一つの行動原理として、

主人公とその仲間たちは二者択一が人生の格言のようになって、

その後も決断の軸に「札を取る」行為をする。

 

「進む」のか、

「逃げる」のか、

札をつくって、冷静に考えて、

自分の決断で札を選び取っていく。

 

『雑菌主義宣言!』文藝春秋

 

彼女を取るか、野球を取るかという選択そのものが

いいかどうかは別にして、

人生には二者択一で選ばなければいけないシーンは多くある。

 

その中の最も本質的な二者択一は、

「現状維持」か

「現状打破」かの姿勢だ。

 

つきつめていくと、人の行動基準は、この二つに集約される。

 

何事も、現状維持でいいと思っている人は、

全ての言動が、

「今のままでいい」

「現状を変えたくない」

という姿勢から発する。

 

たとえば、変革しようという意見に対して、

なんの代案もないのに、

ただ反論したり、

理屈を言ったり、

怒ったりする人は、現状維持の姿勢の人だ。

 

現状打破の姿勢の人は、

「ちょっとでも現状をよくしたい」

「少しでも進歩したい」

「何かを変えたい」

という具体的な意見と、行動から出発する。

 

「現状維持」「現状打破」か。

 

日頃、自分がどっちの立場で行動しているのか、

確認してみる必要がある。

まめまめしい人に


2012年08月01日

【まめまめしい人に】

2012・7・31

櫻井秀勲氏の心に響く言葉より…

 

「まめまめしい」という言葉があります。

漢字で書くと、どういう字だと思いますか?

 

「豆々しい」ではありません。

「忠実忠実(まめまめ)しい」と書くのです。

 

 

だから上の人は、まめまめしく働く人を高く評価するのです。

 

私は若い頃から女性にはまめでした。

まめとは熱心という意味だと思い込んでいて、

好きな女性ができると、ともかく毎日、電話だけは欠かしませんでした。

 

ところが、それだけ熱心に電話しても、

相手からうるさそうに避けられることもあり、

情熱だけでは女性は口説けないと、あきらめ気味でした。

 

 

そのことを、作家の松本清張氏に話したことがあります。

 

 

私より20歳年上の清張さんは、福岡県の尋常小学校高等科しか出ていません。

いまでいえば、中学2年で学業を修了したことになります。

 

その清張さんから「まめ」とは

「忠実」という意味だよ、と教えられたのです。

 

 

このことは私にとって大ショックでした。

 

 

たしかに「熱心さ」には、こちらの一方的な押しつけが感じられ、

相手のために尽くす気持が希薄です。

 

 

ところが、同じ熱心でも、「忠実×2」であれば、

全身全霊を相手に捧げる雰囲気があります。

1年か2年前の新聞に出ていたのですが、

今の切れた電球を取り替えてくれただけで、

怪しげな金融マンに財産をそっくり渡した老婦人もいるのです。

 

 

人間誰しもまめまめしく、かいがいしく働いてくれる人に

好意をもつものです。

 

それは男でも女でも同じです。

 

それだけに相手が上司であれ、女性であれ、

かわいがられるためには、骨身を惜しまず、

その人に忠実であることが、なによりも必要になります。

 

 

『人にかわいがられる男になれ!』三笠書房

 

まめまめしさを、「熱心さ」と間違え、

相手が嫌がっても、

一方的にしつこく女性にまとわりつく人がいる。

「イヤヨ、イヤヨも好きのうち」

などという俗言を信じて、さらにうるさくつきまとえば、

それは、ストーカー行為となってしまう。

 

 

「まめまめしい」の漢字は、

「忠実忠実しい」と書くという。

 

 

忠実とは、「律儀」、「誠実」、「献身的」

そして、本気で相手に尽くす、ということだ。

 

この本当の意味での「忠実(まめ)な態度」は、

女性にだけでなく、男性にも、

年配者に対しても必要だ。

 

誰からもかわいがられる「忠実忠実しい」人でありたい。

お先にどうぞ


2012年07月01日

今日も月末ですのでR子さんにお給料とT子さんに生活費を渡します。

今月もお給料と生活費を渡せたことに感謝します。

一緒にまた手紙を渡します。

今回はこんな話です。

【「お先にどうぞ」と言った回数】

 2012/06/30

デイビッド・ハミルトン氏の心に響く言葉より…

『あなたの健康と幸福は、

「お先にどうぞ」と言った回数で決まります』

「親切な人」であることの重要性は、

あなたが思っている以上です。

 

 

たとえば、噂話に関する心理学の研究では、

私たちが友人や同僚のことを話すときにもっとも話題にしやすいのが

「その人が親切かどうか」

だとわかっています。

 

親切は、私たちが気持ちよく暮らすための潤滑油。

 

親切な態度はその人の人間的魅力につながるだけでなく、

心身の健康にも大きく関わっていることが、

近年のさまざまな研究で明らかになってきたのです。

 

 

119人の日本人女性を対象にした実験では、

親切行為を数えるだけで幸福感が増すことがわかったのです。

対象者のうち71人に、他者への親切行為を毎日ノートに記録して、

回数と内容を把握する作業を1週間行なってもらいました

(残りの48人は比較のためのグループで、何も指示しません)。

そして、その前後で自分の幸福度を数字に表してもらい、比較しました。

すると、指示を受けなかった48人には目だった変化がなかった一方で、

親切行為を数えたグループでは、71人全員の幸福度が高まっていたのです。

 

米国で行なわれた別の調査では、3296人の対象者のうち、

じつに95%もの人が「人助けをすることで気分がよくなった」と答えています。

そのほか、

「温かい気持になった」

「高揚感に包まれた」

「元気が湧いてきた」などと、

具体的な効果をあげる返答も多数ありました。

 

それだけではありません。53%の人が、

そのおかげで「ものの見方が楽観的に変わった」とまで答えているのです。

ほとんどの人は、それらの感情が何時間も持続し、

人によっては数日間も続いたと報告しました。

 

つまり、親切を身につけることで、一時的な気分の変化だけでなく、

「心を変える」こともできるのです。

 

人に親切にすると、オキシトシンやセロトニンなどの

脳内物質が放出されます。

 

これらの物質は気分の改善に役立ち、

前向きで楽観的な心理状態をもたらします。

 

親切を続けるだけで、

「気分よく毎日を過ごせる頭」

ができていくのです。

 

特に、オキシトシンには親近感を強めるはたららきがあり、

他者との絆(きずな)を強めてくれます。

人に親切にすることで抑うつ感情が軽減したり、

幸福感が増大するのは、

脳内でこれらの物質がつくられ、

科学的な作用が起きる結果なのです。

親切の習慣を長く続けると、脳内の神経の道筋が変化して、

いい気分がより長く維持されるようになります。

セロトニン、オキシトシンの濃度が高く保たれ、脳がその状態に慣れてくるのです。

『「親切」は驚くほど体にいい!』飛鳥新社

 

 

人に親切にしたり、人の役に立つような活動は、

うつなどの精神疾患の治療に役立つという。

 

あるいは、ペットなどの世話をすることも、

「何かの役に立っている」という気持がおこり、

同様の効果があるという。

 

人の役に立ったり、人に親切にするには、

人の気持ちが分からなければできない。

 

どうしたらもっと人が喜ぶだろう、

相手の気持や身体が楽になるだろう、と考える「利他の心」だ。

 

利他の心とは、自分の損得より、人の喜びを優先させること。

 

健康と幸福は、「お先にどうぞ」と言った回数で決まる、という。

小さな親切を積み重ね、健康で幸せな人生をおくりたいものです。

素直に頭を下げる


2012年06月01日

5月も今日で終わり。

毎月恒例のR子さんへのお給料、T子さんへの生活費、

そしてメッセージを送ります。

今月はこんな話です。

===================================

【素直に頭を下げる】

2012・5・31

藤原東演住職の心に響く言葉より…

若いときは、頭を下げることがなかなかできないものだ。

人にこびへつらうようでいやだし、

陰では悪口を言っているのに本人の前ではていねいにお辞儀をする、

おとなの慇懃(いんぎん)無礼な態度が鼻持ちならないと感じるからである。

確かに年をとると、相手にメリットがあるかどうかとか、

優越感をもてるかどうかなどを計算して、

頭を下げる確度が微妙にかわるところがある。

あるとき友人と役所に行った。

ある課の職員がひどく横柄で、

ふんぞりかえっているさまが大変不快であった。

帰り道、友人はよほど腹が立ったのか

「まだ若いのに。あいつはあれでもう成長しないな」と予言した。

案の定、その職員は5年後に汚職で御用になった。

頭を素直に下げられなくなったら、

自分の人間としての成長がそれこそ頭打ちになるということを、

この話は証明している。

禅宗の修行では、低頭(ていとう)といって、

畳に額をつける作法を徹底的にしつけられる。

たとえば街を歩いていて他の修行道場の雲水に出会ったら、さっと頭を下げる。

そして相手より先に頭を上げたら、上げたほうが未熟なのだと言われたものだ。

だから、会ったら根性比べであった。

つまり、頭を下げることができるほうが、人として格が上なのだ。

※『人生はゆっくり変えればいい!』成美文庫

人の気持ちは行動や動作に表れる。

自分の方が偉いと思っている人は、

人に頭を下げられない。

目の前の人が深々と自分に向かって頭を下げようと、

決してその人以上に頭を下げられない。

横柄で、ふんぞりかえっている輩は、我が強い。

「オレが、オレが」、という我の強い人は、

自己中心的で、人のことなど考えることができない。

だから、我を抑えるには「人を喜ばせ、感謝する」という、

その真逆をやること。

人の幸せを考えれば、自然と頭が下がるようになる。

逆に、頭を下げることができるようになると、

人に幸せを考えることができるようになる。

「実るほど頭(こうべ)を垂(た)れる稲穂(いなほ)かな」

誰に対しても、素直に頭を下げることができる人でありたい。

online australia casino

心のごみバケツ


2012年05月01日

今日は月末ですのでR子さんにお給料、

T子さんに生活費、そして月に一度のメッセージを渡します。

今月はこんな話です。

【こころのごみバケツ】

2012・4・30

元Yahoo!のクレーム担当者、デイヴィッド・J・ポーレイ氏が

心に響くこんな言葉を残しています。

 

 

その日、僕はタクシーでグランド・セントラル駅に向かっていた。

すると、道路脇の駐車場からいきなり黒い車が飛び出し、

僕の乗ったタクシーの前に強引に割り込んできました。

 

驚いた運転手さんが急ブレーキをかけたため、タクシーはスリップし、

前の車まであと数センチのところでかろうじて停止しました。

 

いきなり割り込むなんて信じられない!

でもその後、さらに信じられないことが起こりました。

黒い車を運転していた男(つまり危うく事故を起こすところだった張本人)が、

こちらに向かって、大声で怒鳴りだしたのです。

 

いったい、どういう思考回路をしているんだろう?

 

さらに驚いたことに、被害者であるタクシーの運転手さんは、

男の行動にいら立つ様子も見せません。

 

それどころかにっこりとほほ笑みかけ、

手を振ってその場を去ったのです。

 

これって、なんかの宗教なのか?

いぶかりながら僕はたずねました。

 

「運転手さん、あんなやつによくもそんな態度がとれますね。

あいつのせいで僕らは死んでいたかもしれないのに」

 

この運転手さんの返答が、

僕が今、「ごみバケツ」の法則と呼んでいるものの原型となりました。

 

彼はこう言ったのです。

「お客さん、こういう仕事をしているとね、

ああいう『ごみバケツ』みたいな人に

しょっちゅう会うんですよ。

 

彼らの心の中は、

不満、やり場のない怒り、落胆といった

感情の『ごみ』でいっぱいなんです。

 

『ごみ』がたまって心のバケツから溢れそうになると、

今度は捨てる場所を探す。

 

その時、お客さんがそばにいれば、

お客さんに『ごみ』を投げ捨てる。

 

相手はお客さんでなくてもいい、

捨てさせてくれれば誰でもいいんです。

 

だからね、『なんで自分がこんな目に!』なんて思う必要はありません。

 

ただ、にっこり笑い、手を振ってやり過ごし、

幸運の一つでも祈ってやればいいんです」

 

※『あなたの心の「ごみバケツ」を空にする本』より

 

人は真面目であればある程、いい人であればある程、

人の評判や批判を気にする。

何かちょっと避難されただけで落ち込んでしまう。

 

怒ったり、非難したり、罵倒(ばとう)したりする、

いわゆる悪のパワーが強い人は、往々にして、

善人をへこませ、圧倒する。

 

悪のパワーに対処するには、相手の倍のパワーで立ち向かうことも

時には必要だが、多くの場合は、

関わらずに「やりすごす」ことの方がうまくいく。

 

もし誰かに攻撃された時、

それが自分への非難ではなく、

『「ごみバケツ」が満杯でただそのはけ口にされた』とおもったら、

笑って「やりすごす」ことだ。

 

菜根譚(さいこんたん)の中にこんな言葉がある。

 

風来疎竹

(風そちくにくる)

風過而竹不留声

(風すぎて竹に声を留めず)

 

風が吹いて竹林がざわざわと音を立てる。

しかし、風が通り過ぎた時には、

竹林には何の音も残っていない。

 

誰かの非難や怒りという「ごみバケツ」を・・・

竹林のたとえのように

笑ってやり過ごせる人でありたいと思う。

言葉が人生を創る


2012年04月01日

今日は月末ですのでR子さんにお給料と

T子さんに生活費、そしてお手紙を渡します。

今月はこんな話です。

言葉が人生を創る

2012・3・31

関西のとあるハンバーガーショップでのお話。

その日は結構混んでいて、三つのレジに列ができていました。

バイトの女の子が

「店内でお召し上がりですか?お持ち帰りですか?」

とお客様に聞いています。

どこのハンバーガーショップでも見られる光景です。

 

何を食べようかなと考えながらその列の3番目に並んでいると、

何やら前の方が騒がしい事に気がつきました。

 

一番前の男性の声が怒鳴り声になったからでした。

 

どうも注文した商品の一つを入れ忘れたようでした。

 

男性は

「なにしとんねん!トロいんじゃ!お前!もうエエわ!」

と怒りをあらわにし、

商品が入った紙袋を奪い取るようにして店を出て行きました。

 

その後ろ姿に向かって、バイトの女の子は

「申し訳ありませんでした。済みませんでした。」

と何度も頭を下げていました。

一瞬にして店内の空気が刺々しくなりました。

 

2番目に並んでいたのは70歳くらいのおじいちゃんでした。

バイトの女の子は、今にも泣きそうな顔でしたが、

無理やり作った笑顔で

「店内でお召し上がりですか?お持ち帰りですか?」と、

何事もなかったように接客をしました。

 

おじいちゃんは静かな声で言いました。

 

 

お嬢ちゃん、エラいなぁ。

 世の中にはさっきの人みたいに

 自分の思い通りにならんかったら

 怒鳴り散らす人がいる。

 

 あの人もなんか急いどったんやろう。

 あんなことを言われて

 あんたの心はズタズタのはずや。

 にもかかわらず次に並んどるわしに

 笑顔で接客してくれた。

 わしにはあんたくらいの孫がおる。

 あんたの笑顔を見て、

 その孫を思い出した。

 これから孫に連絡を取ろうと思う。

 いや、ありがとう。あ、コーヒーを一杯。」

 

 

その言葉を聞いた途端、

堰を切ったようにバイトの女の子の目から涙があふれ出し、

ワンワン声をあげて泣き出しました。

しばらく涙が止まりませんでした。

そこへ隣のレジに並んでいた中年の女性が声を掛けました。

 

「あんた、本当にいい仕事してるわよ。」

 

刺々しかった雰囲気が一瞬で和らぎました。

 

言葉なんだなぁとおもいました。

 

何の関係のない間柄でも、

たった一言で、

一生忘れられない人になる。

 

言葉には、言語としてだけではない、

何かすごい力があるんだと思う。

 

そんな言葉を発する人になりたいものです。

合コン必勝法


2012年02月29日

今日は月の終わりですので

R子さんのお給料、T子さんに生活費を

そしていつものメッセージを渡します。

今月はこんな話です。

===================================

【合コン必勝法】

2012・2・29

先日、NHKで結婚できない若者をクローズアップし、密着した婚活番組がありました。

そこには結婚したいとは思っていても一歩踏み出すことができずにいる

20代~40代までの男性数名が

 

「どうやって女性と話をしたらいいのか」

「どうやったらモテるのか」と悩んでいました。

 

そこへ婚活アドバイザーからのアドバイスを頂き、

結婚への一歩を踏み出そうというもの。

 

その中で僕が一番印象に残ったのは

27歳のA君とアドバイザーのやり取りでした。

 

奥手なA君は、素直でとても真面目。

自分の世界をしっかり持っている好青年。

 

しかし、女性を目の前にしたとたん緊張し、しゃべれなくなってしまいます。

本人も合コンに参加しても、どうも乗り切れない、

浮いている自分を感じているようでした。

 

インタビューの後に実際に合コンに参加したA君は、

みんなと一緒になって笑ったり、会話をしてはいるのだけれど、

どうも落ち着きなくそわそわし、会話が続きません。

 

結局この日の合コンは、気になる女性はいたものの、

その女性は他の男性とのおしゃべりに夢中になり、ずっと背中を向けたまま。

そして彼は一人で周りに合わせて愛想笑いをしながら、料理を食べ続けた・・・。

 

その後A君は、

「僕が合コンで浮いてしまうのは、僕の会話が面白くないからだ。

会話のネタとトーク技術を身に付け、

女の子を楽しませることができるようにならなくては。」

と考えていました。

 

しかし、その様子を

一部始終テレビカメラを通して見ていた婚活アドバイザーの見解はこうでした。

 

Aさんは話をする時、聞く時に、

 人の目を見ていない。

 

 話かけてもすぐに会話が途切れてしまうのは、

 恥ずかしいからと言って人の話を、

 目をそらして聞いているから なのです。

 

 女の子が折角話かけても、どこか見て返事しているから、

 相手はAさんが話を聞いてくれているのかわからないし、

 その段階で、自分の話や、自分のことに

 この人は興味ないんだな と受け取ってしまっています。

 

 【聴く】と言う字は【耳】に【+(プラス)】【目】で

  初めて【心】が通うのです。

  耳だけでなく、目で相手の話を聞いてください。

 

  Aさん、あなたは会話のネタを仕入れたり、

  テクニックを磨く前に、

  目の前の人の話をきちんと【目】で

  受け止めてあげてください。」

 

会話が苦手だ、間が持たないと言う人は

得てしてコミュニケーションの取り方に問題があります。

コミュニケーションの基本は相手の話を【聴く】ことです。

 

まずは相手の言葉を【受け止める】というサインを

【目】で出せるかどうかが大切です。

 

これはテクニックではなく、

相手を受け入れる【心】の問題なのです。

 

 

話の聴き方一つから、人は相手をこれだけ判断しているのです。

自分が話することばかりに気を取られて、

人の話をきちんと【目を見て】聴くことができずに

損をしている人は実に多いのです。

 

自分に興味を持ってるなと受け取ってもらえる・人に好かれる

聴き方のポイントは3つ。

 

体の正面を相手に向ける

きちんと目を見て話を聞く

相づちを打ちながらうなずく

以上の③点を心がけ実行すると、

同性異性、仕事の上でも人間関係がうまくいくのです。

 

向き合う時間


2012年02月01日

今日は月末ですのでR子さんとT子さんに

お給料と生活費、そしてお手紙を渡します。

今月はこんな話です。

======================

「向き合う時間」     

 2012・1・31

「教育現場の実情」について特集をしていた番組がありました。

その中で、学校の先生の休憩時間は平均8分である。という結果が出ていました。

確かに先生は忙しい。休み時間に問題を起こす生徒もるし、

そこへ走っていかないといけない場合もたくさんあります。

 

しかし、平均休憩時間8分間って本当だと思いますか?

 

例えば先生の中でもたばこを吸う人いますよね?

だいたい一本吸うと3分かかるんですが、3本吸ったら9分です。

中学校・高校になると自分の担当の教科を担当するわけですが、

当然空き時間というものがあります。

 

たしかに空き時間にこなす雑務もありますが、

しかしその先生は、

トイレに行く時間さえ満足にとれない状態で、

子どもと向き合う時間なんて取れるわけがないと言っていました。

 

その模様を見せて、街頭インタビューを行ったところ、

「先生忙しくってかわいそうだ」

「先生は大変だ」

という意見が多かったのですが、

僕はそう思いませんでした。

 

子どもと向き合う時間がないなどと言っている教師は、

とっとと教壇を去った方がいいと思います。

 

国民と向き合う時間がないという国会議員は国会を去った方がいい。

 

子どもと向き合う時間がない、

取れなんていうのは本質を見失っています。

 

朝子どもが登校してきて、授業をしている時間は

ずっと子どもと向き合っているわけですよね?

 

子どもと向き合う時間より、パソコンと向き合う時間が長いなんて言う先生は、

授業を自習にして職員室でパソコンで授業のための資料を作っているということです。

 

これでは何の為の準備なのかわかりません。

 

そもそも、子どもが登校して来て、下校するまでの間は、

野球で言ったら試合中です。

 

雑務や資料作りが忙しくて、

子どもと向き合う時間がないって言うけれど、

 

どこのプロ野球選手が

マウンドの上でグラブを磨いていますか?

 

どこのバッターが

バッターボックスでウエイトトレーニングしていますか?

 

そりゃあやらないといけないこと、大変なことがたくさんあります。

しかし、

【子どもと向き合うのが教師の仕事である】

という前提をしっかりとした上で、

「ここ」まで到達するために、

この部分(準備)をしっかりとやろうというのが本来のあるべき姿であると考えます。

 

グランドをならしたり、グラブを磨いたり、は大切なことですが、

最も大切なのは

バットを持ってバッターボックスに立っている

「今」そのボールに向き合うことなのです。

 

その他の雑務をするために、

お客様と向き合っている時間が減ってしまうのは、本末転倒です。

 

僕たちの仕事はお客様に向き合い、喜ばせるということ。

そのために全力を尽くし、考え付く限りのあらゆることをする。

これが大前提です。

 

営業時間と言うのが子どもたちが登校して来ている時間。

お客様がご来店になっている時が試合中。

そして、お客様に接している時間こそが、

バッターボックスに立っている時間なのです。

 

バットを振れるのはあなただけです。

ヒットを打ったり打たなかったりも、あなたの行動次第です。

打率を上げたければ、コツコツと素振りをし、練習を重ねるしかありません。

 

その結果、あなたのヒットが、

チームの成績を大きく左右するということになっているのです。

 

「大前提をしっかりと認識し、

目的に達するための準備、後始末をしっかりとする。」

 

この順序を間違えず、しっかりと取り組んでいきましょう。

真剣にお客様に向き合った結果は,

必ずあなたに返ってきます。

人生における問い


2012年01月05日

毎月のお給料とともに僕からのお手紙をR子さんとT子さんに渡すのも

今年も今日で最後。

2011年を締めくくるのはこんなお話です。

===========================================

「人生における問い」     

2011・12・31

3歳で右目を、9歳で左目を失明。

18歳で聴力も失い、全盲ろうになった福島智氏のお話をご紹介します。

────────────────────────────────────

私が思うに「修業」というのは、

何らかの苦悩を伴いながら

自分を高みに連れていこうとする営みのこと。

ビジネスでも、

学問でも、

お寺の勤行なんかでもそうかもしれない。

しんどいことはしんどいけれど、

そのしんどいことを通して別の喜び、

別の景色が見えてくるということだと思います。

私自身は障害を持ったほうがよかった、

などと単純には言いません。

ただ、たまたま障害を持つという運命を与えられたことによって、

自分自身の人生について、

また障害を持つとは何なのか、

完全でない人間が存在するとはどういう意味なのか、

といったことを考えるきっかけを得ました。

誰かに質問されなくても、

絶えずそのことは心のどこかで考えていることになりますので。

そういう人生における「問い」が私の心の中に刻まれたという点で、

自分にとってはプラスだったなと受け止めているんです。

完全な答えが出ることはないでしょうが、

重要なことは、

問いがあって、

その問いについて考え続けることだと思います。

その部分的な答えとしては、

おそらく人間の価値は

「具体的に何をするか」

で決まるということ。

何をするかとは、

何を話し、

何を行うか、

すなわち言動ですね。

私が盲ろう者になって指点字の通訳が始まりつつある時に、

ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』を読んだんです。

その作品の中で、ある貴婦人が

「私は人類愛がとても強いのですが、

来世を信じることができません」

と悩みを打ち明ける。

それに対して長老は

「実行的な愛を積むことです。

  自分の身近な人たちを、

  飽くことなく、

  行動によって愛するよう努めてごらんなさい。

  ただし実行的な愛は空想の愛に比べて、

  怖くなるほど峻烈なものですよ」

と諭すんですが、私もそのとおりだなと思いました。

人間は博愛主義者にはすぐになれるんです。

「全人類のために」という言葉は誰にでも言うことができる。

だけどすぐそばにいる人の困っていることに対しては、

案外冷淡になるんですよね。

だからこそイエスは

「汝の隣人を愛せ」

と言われたのではないかと思うんです。

      (略)

医師も看護師も、その他様々な職業に就いている人たちも、

問われているのは世界中の人々に対してどうこうではなく、

具体的な他者に対して何ができるかということです。

===============================

今年も一年、元気に働いてくれてありがとうございます。

3 / 41234

ブログカレンダー

2024年4月
« 3月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

アーカイブ